料理や食の世界を知れる本ってないかな?プロ向けの専門書は難しそうだから、気軽に読めるものだとうれしいんだけど……。
こんなあなたの悩みに、おこたえします。
ナビするのは、料理好きのkamai(@kamaivege)です。
会社員として働きつつ週3以上はサラダを作り、SNSで発信したレシピ数は250を超えました。このブログでは、サラダ作りのハウツーやレシピを紹介しています!
この記事では、見て楽しめる食・料理のイラスト本を紹介します。
食・料理 イラスト本のいいところ
個別の本を紹介する前に、イラストを織り交ぜた本のいいところに触れておきます。
- 眺めるだけで情報が入ってくる
- 内容の理解につながりやすい
- ソフトな表現で読みやすい
眺めるだけで情報が入ってくる
イラスト本は、眺めるだけでも楽しめます。
直感的に訴える絵には、想像力をかきたてる要素があります。
文字であれば、読んで内容を理解しなくてはいけませんよね。一方で、イラストは一目で「○○を描いているんだな」と認識させるわかりやすさがあります。
内容の理解につながりやすい
単語や文章だけのものよりも、イラスト付きだと理解しやすいです。
知っているものに対して理解を深める場合はイメージが湧いているものの、新たに出会うものって想像してみるのも難しいものです。
そこに1枚の挿絵が入っているだけでも「こんなものなんだな」とイメージが膨らみます。
ソフトな表現で読みやすい
最後は、表現がソフトな点です。
写真でありのままを表現する場合、ものによっては生々しく映ってしまう場合があります。精肉の様子や植物の状態など、食材の調達や加工シーンでは避けてとおれない部分もあります。
プロの料理人を目指すなら現物ありきかと思いますが、斜め読み程度に済ませたいなら刺激が強いことも……。
一方、イラストではソフトに描かれることが多いです。描き手のタッチでポップに表現されているので、リアルな写真に比べるとイラスト本自身を料理とは違ったエンタメコンテンツとして楽しめます。
本といってもマジマジと読むものばかりではありません。雑誌をパラパラとめくるように、気楽に流し読みもいいですよ。
食・料理のイラスト本 おすすめ4選
紹介するイラスト本は、こちらの4冊です。
- FOOD ANATOMY(フードアナトミー)食の解剖図鑑|文・絵:ジュリア・ロスマン、訳:神崎 朗子
- フランス式 おいしい調理科学の雑学|文:アルテュール・ル・ケンヌ、絵:ヤニス・ヴァルツィコス、訳:広野 和美
- いちばんやさしいスパイスの教科書|文:水野 仁輔、絵:オガワナホ
- 世界の市場|文:マリヤ・バーハレワ、絵:アンナ・デスニツカヤ、訳:岡根谷 実里
FOOD ANATOMY(フード・アナトミー)食の解剖図鑑|文・絵:ジュリア・ロスマン、訳:神崎 朗子
『FOOD ANATOMY 食の解剖図鑑』は、世界の食に触れられるイラスト図鑑本です。
アナトミー(anatomy)とは、直訳で解剖学。世界の食とはなにか?を解剖して解き明かしていく1冊です。
調査のたびにマーケットや加工現場を見て旅したという著者。著者の目に止まった感性を基準に、語られています。
おいしいとこをつまみ食いするたのしさ
1つのテーマに対して、いくつものイラストが並びます。そこに添えられるのは、解説がひとこと二言。それじゃあ、語りきれないんじゃないのと思われるかと思います。そのとおりです。
でも、ちょっとした知識をつまみ食いするのが楽しいんですよね。笑
たとえば、卵料理の用語集。18種類ものプレートが描かれていて、それぞれどんな料理なのか説明されている。「わあ、こんなにあるんだ……」と興味をひかれるし、「作って食べてみたい」「どうやって作るんだろう?」「どこかで聞いたことあるな」いろんな刺激を受けます。
知らない人にとっては、引き出しにいくつもしまっておきたくなる。知っている人にとっては、引き出しから引っ張り出したくなるのではないでしょうか。
著者がイラスト・文章を手がける”ファッションブック”
著者はイラストレーターのジュリア・ロスマン(@Julia Rothman)さん。
食の本=料理家の方が書いているかと思いきや、絵師の方なんです。だから、料理家監修の本とは違って、ファッションブックのような仕上がりに感じました。
海外のアンティークだったり、キュートな雰囲気がお好きな方にはハマるかと思います。情報量が多いだけに「一度読んで終わり」というものではなく、たびたびパラパラと眺めたい1冊です。
フランス式 おいしい調理科学の雑学|文:アルテュール・ル・ケンヌ、絵:ヤニス・ヴァルツィコス、訳:広野 和美
『フランス式 おいしい調理科学の雑学』はフランス式の調理方法・料理をベースに、調理科学に迫れる本です。
なぜ?だらけ
食材と調理方法に対する疑問とアンサーがいくつもそろっています。肉類や魚類、下ごしらえや加熱料理。どこを切り取っても見開き2ページには7〜8の「なぜ?」が並んでいて、問い詰め方がすごいです。(笑)
日常的にフランス式の調理をする人はなかなかいないと思います。でも、普段の料理に活かせるような料理雑学が随所に載っているので、実用書としても読み応えがありました。
読み手を置いていかないちょうどいいレベル感
料理を極めていくと化学(ケミストリー)になっていくので、化学用語についていけなくなることも多いです。しかし、この本はそこまで切り詰めることなく物事を語ってくれます。
その点、私のような料理素人にプロが語る本なのかもしれません。
その点、料理に片足つっこみたいくらいのライトな料理好きさんに向いているかなと思います。いきなり専門書を読むと、小難しくて心が折れますからね……。
とはいえ、料理には理論があることがよくわかります。調理方法という手段が確立されていることに関心させられます。それを習得して実践されているプロの料理人には自然とリスペクトを抱いていました。
落ち着いたトーンと温かみのある絵のタッチ
表紙のとおり、オレンジ調の赤・黄、そして水色にグレーの色合いでデザインされています。派手すぎないけどポップな色合いが、温かみのある手描きとあっています。シールやステッカーにして手元にほしいくらいです。(笑)
絵はイラストレーターのヤニス・ヴァルツィコスさん、海外アーティストさんのタッチを感じる雰囲気です。
雑貨屋さんに置いてありそうな、かわいい色合いだよね。
A4サイズでどっしりとしています。いまのところ、書籍版だけです。(2023年1月現在)
著者は料理家のアルテュール・ル・ケンヌさん。この本は、7か国での発売も決まっているほど、人気のようです。わたしが手にしたのも、第4版でしたよ。
【新刊】
— パイ インターナショナル (@PIE_BOOKS) April 16, 2020
最新の調理科学と料理の雑学を、質問形式で紹介するフランスのベストセラー!『フランス式 おいしい調理科学の雑学』4/17に発売!今こそ家で料理を楽しもう🍳✨調理器具の正しい使い方から調味料、食材のカテゴリー別に、役立つ知識が満載!邦訳特別版です。https://t.co/A7fBDF2HRU pic.twitter.com/10fQ3nyjnC
日本向けに訳されているようですね。海外版はそれだけで絵になりそうです。
いちばんやさしいスパイスの教科書|文:水野 仁輔、絵:オガワナホ
『いちばんやさしいスパイスの教科書』は、スパイスの知識から実践まで幅広く網羅した本です。
スパイスの基本的な知識から、実際に活用するところまで、スパイスの世界を体験する道しるべがあります。
イラストメイン、レシピの一部には写真あり
イラストを手がけるのは、イラストレーターのオガワナホさん。ペタッとした絵のタッチがキュートです。
大半はイラストですが、一部に写真が載っています。調理パートのうち、レシピの調理工程や完成写真など。イラストを介してスパイスになじみを持ってもらいたいという意図が感じられます。
著者はカレーのスペシャリスト
著者の水野 仁輔さんは、カレー専門の出張料理人として活動された経緯のあるカレーのスペシャリストです。
水野さんご本人のnoteもおもしろいです。研究の様子が垣間見れます。レシピだって惜しげも無く公開されていますので、そこらの適当なレシピより本格レシピを教わることだってできます。
カレーやスパイスを扱う著書は40冊以上!写真や文字ベースの本が大半です。タイトルで「いちばんやさしい」とうたっていることからも、イラスト本で初心者にも触れてほしいという意図かもしれませんね。
「読む」というより「見る」のが、イラスト本の良さだよね。
A4サイズでどっしり。読みごたえがあります。
というわけで、スパイスに興味を持った人には、最初の1冊としておすすめです。
【好評既刊書】
— パイ インターナショナル (@PIE_BOOKS) April 17, 2020
イラストと図で解説する、スパイス入門書の決定版!水野仁輔氏の『#いちばんやさしいスパイスの教科書』は現在4刷🍛✨約50のスパイス活用レシピや、67種を紹介する「スパイス&ハーブ事典」も収録。初心者はもちろん、プロにも役立つ情報が満載!
▼書籍https://t.co/efKpHaDir5 pic.twitter.com/rKZjBPHLpP
人気ジャンルであるスパイスカレーに関する本ってたくさん出ていますが、第4刷ということで人気ですね。
世界の市場|文:マリヤ・バーハレワ、絵:アンナ・デスニツカヤ、訳:岡根谷 実里
『世界の市場』は、日本では見られない世界各国のマーケットを巡る絵本です。
現代はこじんまりしたスーパーやオンラインでパッと買い物ができてしまいますが、つい100年前では一度にあらゆる食料を買える場所だったのが市場という存在です。
この本では、1月から12月まで、トータル12か国の市場を探検していきます。
店構えや街の雰囲気、並んでいる食材とその地域でよく食べられるという料理まで。フルカラーで様子が伺えます。
ほんの一部でしかないと思いますが、イラストからでもその街の雰囲気が伝わってきます。おもしろおかしいイラストも載っていたりして、クスッと笑ってしまいます。子どもの頃に戻ったかのような、フシギな感覚に陥りました。(あと、地元のどうぶつたちが何気にかわいい)
そっか、絵本なら大したこと書かれてないんじゃない?
いやいや、絵本だからといってあなどるなかれ。大人は大人の読み方ができて、めちゃめちゃ楽しいです。
- ご当地料理と出会える(とりあえず聞いたことのないものばかり)
- ご当地食材と出会える(聞いたことはあるけど口にしたことはないものばかり)
- 地元の人たちの雰囲気が感じられる(国によって当然顔ぶれが違う)
など、ガイドブックでもなかなか紹介されないようなマニアック知識やネタがゴロゴロ転がっています。
こちらの記事では、翻訳をされた岡根谷 実里さんの裏話が読めますよ。
というわけで、子どもに渡してもいいけど、料理が好きなら大人こそ食い入って読んじゃう本でした。
大人のための絵本!ということで、ここ最近で手にした本の中ではとても気に入ってます!
【まとめ】イラスト本で食・料理の世界に踏みいれよう
この記事では、イラストが特徴の食・料理本を紹介しました。
ここでは、著作権の関係から、肝心のイラストを載せることは控えています。語ったのは魅力のごく一部ですが、リンク先のAmazonや楽天のサイトでは試し読みやプレビューができます。気になる方は雰囲気を感じてみてくださいね。
この本たちをきっかけに、料理や食へのさらなる興味がわくきっかけになればうれしいです。ぜひ手に取って楽しんでください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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